葬儀情報フリーペーパー 仙台圏で7月創刊 全国初

 「葬儀費用の相場は?」「家族が亡くなったらどうすればいいの」。そんなお葬式の疑問に答える全国初の葬儀情報フリーペーパー「セレモニーみやぎ」がことし7月、仙台圏で創刊される。葬儀社、葬儀場の情報のほか、葬儀のマナーなどを掲載。これまで結婚情報フリーペーパーを発行していた出版元が「よりよく生きるため『死』について、もっと考えてほしい」と進出を決めた。

 誌面で紹介するのは、仙台、名取、多賀城、塩釜の4市と富谷、利府の両町の葬儀社の料金や葬儀場の収容人数など。墓石店や遺産相続を相談できる会計事務所、保険会社も含めて、150社の情報掲載を目指し、創刊準備を進めている。

 年1回のペースで約30万部発行し、4市2町の住宅に無料配布したり、書店や仙台市地下鉄の駅に置いたりする。発行費用は企業の情報掲載料を充てる。

 セレモニーみやぎの出版元は、青葉区の「アートセレモニー」。結婚情報のフリーペーパー「ウェディングみやぎ」を発行する「アートブライダル」(青葉区)の佐藤律子社長(39)が設立した。
 佐藤社長は東日本大震災で多くの人が亡くなったことで、死について考える必要性をより強く感じたという。創刊の狙いについて「葬儀は残された家族にとっても大きな問題。どんな葬儀を望むかを家族で話し合うのは大切なこと」と訴える。

 昨年11月には、賛同する友人8人と「いま生きることとお葬式を考える実行委員会」を設立。末期がんに侵された男性が、家族のために死んでからの段取りを書き残そうとするドキュメンタリー映画エンディングノート」の試写会を開いた。

 今後は掲載を希望する企業の発掘に力を入れるほか、生前葬について考えるイベントも開くという。佐藤社長は「死は必ず訪れるのに、葬儀については『縁起でもない』と考えるのを避けてしまいがちだ。今をよりよく生きるためにも、人生の最後の晴れ舞台である葬儀を前向きに考えてほしい」と呼び掛けている。

河北新聞
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120125t15029.htm