書籍:『0.5ミリ』安藤モモ子著

 「おじいちゃんと一緒に寝てあげて欲しいの」。派遣先の家族の頼みを断れず、添い寝をした介護ヘルパーの山岸サワは、不慮の事件に巻き込まれ失職、無一文になる。身よりがなく、子供が産めない体のサワは、以後、老人たちの家に上がり込んで世話をし、ともに暮らすのだが、老人たちはやがて「生」への渇望を取り戻し、自身も…。

 脚本家で新進映画監督初の長編小説。父は俳優・映画監督の奥田瑛二(えいじ)、母はエッセイストの安藤和津(かづ)、妹の安藤サクラも女優という一家に育ち、受け継いだ“作家”としてのDNAはハンパでない。8年に及んだ祖母の在宅介護経験をもとに、「人は死に向かってどう生きるべきか」を鮮烈に描いた。装画も自身。(幻冬舎・1680円)

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111218/bks11121807260000-n1.htm