耐震、お参りポイント、ミニ仏壇など  変化する先祖供養

 地震に強いお墓をはじめ、お墓参りでポイントサービス、住宅事情に合わせたミニ仏壇など、新たな商品やサービスが続々と誕生している。

 お盆といえば、ご先祖様の供養だが、この分野でも新たな商品やサービスが続々と誕生している。

 一見頑丈そうなお墓も、東日本大震災で大きな被害があったように、実は意外ともろい。しかも修理費用は高額で、墓石のずれが20万円以上、墓石の交換ともなると100万円以上が必要となることもある。そこで揺れに耐える強い墓を目指したのが、「KI式耐震工法(小泉石材/東京)」。お墓を固定する耐震面の新技術を採用し、留め具に工夫を施した。実際、東日本大震災の際、同工法が使われた400基以上のお墓や灯籠には、倒壊被害は1件もなかったという。またお墓に伝わる揺れを軽減する免震技術では、特殊なゲルが震動を吸収する「安震はかもり(安震/愛知)」や「泰震(ボイス/香川)」がある。こちらも現在、数多くの墓石や文化財に使用されるなど、その優れた効果への評価は高い。

 お墓参りでポイントがたまるサービスもある。たとえば、昨年春に開園した「幕張霊園(千葉)」。ネーミングも秀逸で、航空会社でお馴染みのマイルならぬ「マイリ(参り)ポイント」だ。システムは、一般のポイントカードと同じ。例えば墓参りに訪れた際、入口でカードを提示すると1回ごとに30マイリ、霊園内や提携施設でお供えの花やお墓などを購入すると金額に応じて1〜15%のマイリポイントが付く。そして貯めたポイントは、1マイリ1円として法事の精算や管理費支払いなどに利用することができる。

 一方で、自宅に設置する仏壇は、住宅事情に合わせてコンパクト化が進んでいる。高さ35センチ×幅21センチ×奥行18センチ、重量2.7キロ、これは先ごろ国の伝統工芸品にも指定される川辺仏壇(鹿児島)の職人で構成された川辺伝承七職会と、県工業技術センターが商品化した「小型精密仏壇」のサイズ。最大の特長は、テクノロジーと職人技の融合で生まれた装飾の素晴らしさだ。手彫りが困難な部分はレーザー加工を導入、それ以外はすべて職人らの手作業で仕上げた。通常サイズの仏壇が持つ荘厳さや豪華さを、そのまま縮小したイメージで、これまで存在しなかった画期的な小型仏壇といえそうだ。価格は、標準で39万9000円。また仏壇に配する蒔絵や扉のデザインにはバリエーションがあり、カスタマイズも可能だ。

 ご先祖供養も時代の流れに応じて変化を遂げているようだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/5782857/