ユーユーワールド、介護分野で中国進出へ

 物流・人材派遣・介護事業のユーユーワールド(宇都宮市平出工業団地、小川恒夫社長)は来年、介護サービス分野で中国に進出する。中国では日本と同じく高齢化が進行。原発事故の影響や急速な円高など国内経済が不安定な中、事業拡大の拠点として中国を選んだ。遼寧吉林黒竜江の東北3省での展開を視野に、5年後には介護分野での売り上げ4倍増を目指す。

 同社は10年ほど前、介護サービス分野に参入。宇都宮市小山市に拠点を持ち、デイサービス、ホームヘルパーによる訪問介護福祉用具の販売貸与など総合的な介護サービスを提供している。介護部門の売り上げは全体の1割。

 小川社長によると、中国は一人っ子政策もあって、少子高齢化問題は深刻。総務省の「世界の統計」では、中国の65歳以上人口の割合は2010年の8%から、30年に16%、50年には23%に上昇する。介護ニーズの拡大が見込まれるが、専門性の高い人材などが不足しているという。

 同社はまず、遼寧省の介護サービスの管理運営受託を計画。コンサルティング、人材育成を行う。老人ホーム運営も検討しているという。

 小川社長は「世界に生きる企業として、もともと介護事業を中国で伸ばしたいと考えていた。円高など不安要素がある中、国際的な動向に直接影響されない介護に力を入れる」と話している。

 同社は1994年設立。売り上げの40%を人材派遣・業務請負、35%を物流が占めている。2011年3月期の売上高は45億8千万円。

http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20111104/651763